巴里

形を成しつつある一つの新考察のために、巴里上下を再読。
読み進み、記述から読み取れるものを確かめるごとに考察に確信を得る。
同時に、読み取ったものを付加価値として、素直に巴里の物語を俯瞰する。


初読時に感動を、通読時に感心を得た巴里は、
クロニクルを経た再読時の今に於いては、違った感情を得られると判断。
架空を書き切っているようでいて、その実、現実臭さが抜けていない。
作品構造や書き手の意志がクロニクルよりも遙かに明瞭だと判じられたのは、
こちらの経験の差か、向こうの経験の差か。それともまだ見えていないものの差か。


そして巴里読了後の当然の流れとして、香港への推進力を得る。
香港を次に振り返るときは、歌と詩について考えがまとまったときだろうか。


感情喪失機構は正常に作動中。
一五三○より、旧伯林を参考資料に、新考察の文章推敲に入る。